発端はこちらで見かけた Retouch3D という製品。ABS や PLA で3Dプリントした造形物の表面の荒れやサポートの除去に使う、という趣旨の製品らしいのですが、あれ、これって我々歯科関係者がよく使うワックスペンシルに似てない?というかそのままじゃない?と思いましたので、歯科用ワックスペンシルを使って実験してみることにしました。
2015年5月11日 ABS での実験結果を公開しました。
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目次
使うのは中国製の安物ワックスペンシル
冒頭の製品は125ドルらしいのですが、今回使ったのは中国製の安物ワックスペンシル。なんと説明書すら付いていないという潔さ(ぇ
海外販売サイトとかを検索すると50〜60ドル前後で売ってると思います。
最大 200℃まで上げられます。
オーバーハング部で発生しがちな積層荒れを直す
今回ご用意する積層荒れはこちら。
見事に荒れています。というかズレています。材質は PLA 樹脂です。3Dプリンタのほうを調整するべきでしょうが、再度プリントするお時間もない、そんな時はこれ。
ドラえもん「わっくすぺんしる〜」
というわけで押し当てていきます。200℃は PLA 樹脂にとって「軟化温度」なので、「ジュッ!」と溶けたりするような感じではなく、強く押し当ててもそう簡単に変形はしないので、表面を撫でるようにして綺麗にしていきます。
そして結果がこちら。
なんということでしょう。
別角度から。完全にさきほどの積層荒れは消えています。
専用品との違い
冒頭の Retouch3D という製品は、温度制御範囲が 300℃まで上げられますが、こちらは 200℃。別の歯科用ワックスペンシルは 250℃まで上げられる製品もありますが、そもそも軟化温度のさらに低いワックスを成形するための製品ですので、この点は致し方ありません。
ただ、200℃でも充分に積層荒れの修正は可能でした。PLA 樹脂に関しては充分な性能だと思います。ABS 樹脂に関してはまた実験が必要かもしれませんが、アセトンで表面を綺麗にできる ABS 樹脂にはそもそも必要ないかもしれません。
また、Retouch3D がコードレスなのに対して、こちらは有線。ただ、コードレスだからなんだって話でもあります。そこまでコードが邪魔になるものでもないですし。
今後、ABS での実験結果と、修正の様子を動画撮影してみたいと思っています。
というわけで、今回はこれにて。
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