タグ: フレキシブル

  • 3Dプリンタで口腔リハビリ用のトレーニングモデルを作ってみたよ

    3Dプリンタで口腔リハビリ用のトレーニングモデルを作ってみたよ

    このブログを普段からお読み下さっている方もお忘れかもしれませんが、ワタクシ、歯医者ですので、3Dプリンタを手に入れたのは「歯科関係の器具を作りたい」というちゃんとした目的があったからなんです。決しておっぱいを造形するのが目的じゃないんですよ!

    しかしワタクシ「目的のためには手段を選ばない」人間ではなく「手段のためには目的を選ばない」タイプの人間ですので、とりあえず目の前の手段(3Dプリンタの改造、新フィラメントのテスト、等)に手を出してしまっていたのですが、3Dプリンタを手に入れてから 2年余りの経験値を蓄積した結果、ようやく当初の目的の「歯科関係の器具」を作りました。

    口腔リハビリとは

    まだまだあまり一般的ではない言葉かもしれませんが、例えば脳梗塞の後遺症などで身体の機能の一部が麻痺して失われた方に対し、口腔領域の機能のリハビリテーションを行うことで、失われた摂食・咀嚼・嚥下機能を回復させ、栄養摂取を円滑にするとともに、全身の回復を目指すことを目的とした「リハビリのスタート地点」と呼ぶべきリハビリテーションが「口腔リハビリ」です。

    自分は日本の口腔ケア・口腔リハビリの第一人者であり現在も最前線で戦っておられる黒岩恭子先生から色々とご教授頂き、訪問診療の際に活かしております。

    口腔リハビリ用のトレーニングモデル

    自分もまだまだ勉強中の身ではありますが、人に口腔リハビリの方法を伝える際に、実際に目の前に患者さんが居れば伝えやすいですが、そうでない場合(講演や勉強会の場など)は、なかなか伝えにくいものです。

    そこで、高齢者を想定した無歯顎(歯が全く無い顎)の模型に、舌部分を足したトレーニングモデルを製作しようと思い立ちました。

    無歯顎骨を用意

    May 30 20168

    以前、明成化学の ABS フィラメントを試してみた際に造形した下顎骨。これを元に製作していくことにしました。

    舌部分を用意

    骨の部分は CT のデータとして明瞭な部分なので扱いやすいのですが、軟組織である舌やその周囲の部分は CT では不明瞭ですし、MRI のデータから舌の部分だけを切り出すのもなかなか大変です。さて、どうしたものか。

    吐くのを我慢しながら自ら型取り

    Jul 04 20166

    歯医者で型取りしたことの有る方はわかるかと思いますが、あれってなかなか苦しいですよね。その型取り材を口の中いっぱいに詰め込んで型取りました。これは皆さんが経験されたことの有る型取り材の数倍の量を使いました。

    正直、マジで吐くかと思った。

    Jul 04 20161 Jul 04 20162 Jul 04 20163 Jul 04 20164 Jul 04 20165

    型取りした舌模型を下顎骨の造形物に石膏にてピッタリと合わせます。

    舌部分を3Dスキャン

    所有している 3Dスキャナ「Matter and Form」を使って舌模型をスキャンします。

    Jul 04 201612

    ABS でテスト造形

    造形データにおかしなところがないか、ABS で造形してみて確認。

    Jul 04 20167

    問題は無さそうなので、次の段階へ進みます。

    PolyFlex でテスト造形

    Jul 04 20168

    フレキシブルタイプでも造形可能であることが判明したので、さらに次の段階へ進みます。

    FilaFlex の赤で最終造形

    とあるきっかけで WitboxJapan さんから頂いた FilaFlex の赤を用いて造形します。

    Jul 04 20169

    無事に造形完了。

    合体

    造形が終わった下顎骨と舌部分を合体させるとこうなりました。

    Jul 04 201610 Jul 04 201611

    実際に触ってみるとこんな感じです。

    舌全体を押したり、掴んだり、舌下筋群を押したりするトレーニングが行えるモデルが出来上がったと思っています。

    まとめ

    ここからさらに使いやすいように改良を加えていく予定ですが、とりあえず「歯科関連の器具を作る」という当初の目的がようやく達成されました。

    現在、他にも進めている歯科関連プロジェクトがありますので、どんどんご報告していきたいと思っております。

    今回出来上がったトレーニングモデルは、前述した口腔リハビリの第一人者である黒岩恭子先生にお送りさせて頂きました。

    こちらからは以上です。

  • 3Dプリンタ「BS01」を使い始めて丸2年が経ちました

    3Dプリンタ「BS01」を使い始めて丸2年が経ちました

    2013年12月24日 にクラウドファンディングサイト「kibidango」にて出資を募っていた国産の超小型3Dプリンタ「BS01 BONSAI Mini」に出資し、ABS/PLA 組み立てモデル、いわゆる「初代 BS01」を手に入れたのが、2014年3月24日。1年経った時に「使い始めてちょうど一年経ちました」という記事を書きました。

    そしてさらに1年経った今、この1年で何をしてきたのか、3Dプリンタ界隈ではどんなことが起こったのか、2年目を振り返ってみたいと思います。

    2年目を振り返る

    179ドルのデルタ式 3Dプリンタ「Tiko」に出資

    低価格のデルタ型3Dプリンタに出資しました。もうすぐ届く予定なので、届いたらまたレビューしたいと思っております。

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    歯科用ワックスペンが大活躍

    歯科用ワックスペンで3Dプリントの積層痕を綺麗に整えてみました。PLA、ABS、PolyFlex と色々やってみました。今もたまに役に立ってくれています。

    May 09 20153

    小型3Dプリンタ「M3D The Micro」が届く

    出資していた 299ドルの小型3Dプリンタ「M3D The Micro」が届きました。

    BS01 に比べたら造形品質は低いですし造形速度も圧倒的に遅いのですが、場所を取らない超小型である点、また静音性に関しては利点だと思っています。

    BS01 と一緒に現役続行中です。

    May 30 20152

    100円ショップのマニキュアトップコートで綺麗にしてみた

    女装の話じゃありません。造形物をマニキュアのトップコートで綺麗に整えてみたお話。意外と安価で綺麗になるので、今もたまに使っています。

    Jun 26 20153

    Raspberry Pi に AstroBox をインストールして BS01 を制御

    ずっと手を出したいと思っていた小型のコンピュータ、Raspberry Pi。それを使って BS01 を制御してみました。

    今はさらに小型の Raspberry Pi Zero に代替わりし、現役続行中です。

    Jun 29 20151

    フレキシブルフィラメントで歯列模型を作ってみた

    フレキシブルフィラメント「PolyFlex」で歯列模型の歯肉部分を造ってみました。

    Aug 18 20152

    調子に乗って歯列模型の歯と歯グキの色を入れ替えてみたらヤヴァい事になりました。これはひどい。

    Sep 19 20151

    そして、マジックインキを使ってピンク色の歯グキを造形することに成功しました。シマシマなのはそのうちなんとかしたい。

    Oct 17 20155

    プラスチック成形加工学会誌で解説記事を書きました

    ボンサイラボ様からお話を頂き、何故か歯医者がプラスチック成形加工学会誌で解説記事を書きました。原稿料はフィラメント代に消えました、はぃ。

    Aug 26 20151

    3Dプリンタを比較検索できるサイトを開設

    どんどん登場する個人向け3Dプリンタを比較検索できるサイトがあったら良いな〜と思い立ったので作りました。

    新機種の情報を見かける度に、チマチマと追加するようにしております。

    研磨が簡単にできる高性能 PLA フィラメントが登場

    ブログ読者の方にはお馴染み、おっぱい用フィラメント研磨が簡単にできる高性能PLAフィラメントが登場。

    Oct 09 20151

    3Dプリンタのノズルを綺麗にするだけの専用フィラメントを試す

    きちんと使っていれば、なかなか「ノズルが詰まる」という現象は起こらないと思うのですが、フィラメントの種類によっては色素やカスのようなものがノズル内に残って次のフィラメントに悪影響を与える場合があるので、そういう時に重宝しています。

    Oct 29 20157

    ボンサイラボを訪問

    BS01 の開発・販売元である、ボンサイラボを訪問。

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    ボンサイラボから FabPod™ が登場予定

    BS01 の後継機種、というよりは、より低価格で教育機関向けの製品としての新機種、 FabPod™ がお披露目されました。欲しいです。

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    BS01 のドライブギアが消耗してしまったので交換

    流石に2年近くも経てば、消耗する部分もできていますが、自分で組み立てたおかげで射出不良も無事に復活。

    デアゴスティーニの週刊マイ3Dプリンタが続々と完成

    一年間、コツコツと組み立てた方々の元に BS01 の兄弟機、idbox! が続々と完成していきました。それと共に様々な問題が発生しているようなので、一筆書きました。

    2年目を振り返って

    BS01 が我が家に来てから丸2年、また色んな事が有りましたが、ひとつ思うことは、「2年経っても BS01 は充分に主力」だということ。

    同価格帯の製品は、正直言うと技術的には頭打ちで、劇的な技術革新が無い限りは、精度が上がることは無いと感じています。大量生産されることで価格が下がることは有るかもしれませんが、3Dプリンタがそもそも「プロトタイプ(原型、試作品)」を製作するのが目的とされていることを考えれば、これ以上劇的な進歩は必要とされていないのかもしれません。

    これは個人向けインクジェットプリンタの性能がある程度の段階で頭打ちしたのと同じ現象が起きていると考えています。

    もちろん個人的にはもっともっと低価格で高性能になってくれればありがたいんですが(^_^;)

    ともあれ、3年目に突入した BS01 と歯医者を今後とも宜しくお願い申し上げます。

  • ボンサイラボ様から NinjaTek の新しいフレキシブルフィラメント「Cheetah」のサンプルを頂いたのでテストしてみたよ

    ボンサイラボ様から NinjaTek の新しいフレキシブルフィラメント「Cheetah」のサンプルを頂いたのでテストしてみたよ

    ボンサイラボ様から、NinjaTek が CES2016 で発表した新しいフレキシブルフィラメント、Cheetah のサンプルを頂いたので試してみたお話。

    特徴はフレキシブル・ポリウレタンということで、BS01 のユーザーの方が開発したラバープラスティックフィラメントと方向性は被りますが、Cheetah は ABS と同じ設定で、60mm/secでプリントできるよ、との事。

    ホンマかいな。

    結論から言うとホンマやった

    一般的な ABS フィラメントと同じ設定で大丈夫、ということなので、通常の ABS と同じ程度の温度、ノズル温度230℃、及び ベッド温度 80℃で造形してみました。

    Mar 15 20161

    えーと、申し訳ない、いつものルークを造形するつもりだったのですが、サンプルが少ないことをすっかり忘れて途中でフィラメントが無くなりました(^_^;)

    造形難易度は低いがフレキシブルとしては硬い

    フィラメントの状態では確かにグネグネと柔らかいのですが、実際に造形してみると、いわゆるフレキシブルフィラメント、と呼ばれる種類の中ではかなり硬い部類に入ります。ショア硬度で表すと 98A。

    硬さのおかげで PolyFlex などよりも造形難易度は低いですが、「柔らかさ」を求める場合はちょっと違うな、と感じるかもしれません。

    どちらかというと耐衝撃性を求める場合に重宝しそうだな、と感じました。

    公式サイトにも「Impact resistance 25% greater than ABS」とあるので、開発側も耐衝撃性を目的としていると思われます。

    記事執筆時点では値段がわからないのでなんとも言えないのですが、PolyFlex と同等の価格だとしたら、耐衝撃目的としてはとても良いフィラメントだとは思うのですが、お高いんだろうなぁ〜(^_^;)

    こちらからは以上です。

  • オリオスペックが販売する中国産のフレキシブルフィラメントでプリントしてみたよ

    オリオスペックが販売する中国産のフレキシブルフィラメントでプリントしてみたよ

    オリオスペックが販売している正体不明のフレキシブルフィラメントを注文してみたのですが、本日届きましたのでテストプリントしてみました。

    正体は相変わらず不明

    オリオスペックの中の人からは「中国産です」との回答は頂いたものの、製品名など詳しいことは結局わからないこのフィラメント。

    ブログにコメントを下さった方の情報によると「Ninjaflex」の偽物として中国で売られているものではないか、ということなのですが、それなのかどうかも不明。ともかく、正体はわからないままプリントしてみることにしました。

    オリオスペックが提示しているプリント推奨温度は 210度から 250度、とのことでしたので、とりあえず 220度にして 造形速度 30mm/s にて 3Dプリンタ「BS01」にて造形。

    Simplify3D__Licensed_to_Isamu_Kasuya_ (1)

    造形したデータは3Dデータとしては有名なルーク。

    思った以上に柔らかい

    比較対象として、同じくフレキシブルフィラメントである PokyFlex をほぼ同条件で造形したものと比較してみました。

    IMG_0434 copy

    左が PolyFlex、右が今回のフレキシブルフィラメントです。

    糸引き、ダマが多いように思いますが、この辺りは温度設定とリトラクションの設定を詰めれば解消されるのではないかと思います。

    フレキシブルフィラメントなので肝心の「柔らかさ」ですが・・・

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    こちらは PolyFlex。柔らかいのは間違いありませんが、形が変わる程度。

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    こちらが今回のフィラメント。ぐにゃ〜!って感じで柔らかいです。

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    屋上部分も、PolyFlex ではこのように円が楕円になる程度ですが・・・

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    ほぼ潰れるレベルでぐにゃり。

    「柔らかさ」だけでみれば PolyFlex より優秀だが・・・

    ハッキリ言って購入した際はここまで柔らかいとは思ってもみませんでした。嬉しい誤算というやつですね。

    ただ、柔らかいという点だけが、同じフレキシブルフィラメントである PolyFlex よりも優れていると言える部分で、他の点に関しては完全に PolyFlex の方に軍配があがると思います。

    というのも、PolyFlex は引きちぎろうと引っ張ってもそう簡単に千切れない程度の靭性を備えており、またフィラメント同士の食い付きもよく、造形したものに力を加えても簡単には壊れたりしません。

    ところが今回のフレキシブルフィラメントは柔らかさは素晴らしいですが、引き千切る力に弱かったり積層面同士が剥がれやすかったりと、総合的には PolyFlex よりも劣ると言わざるを得ません。

    ただ、医療関係者には「柔らかさ」を求めている方が多いので、この「柔らかさ」はそれだけで利点といえば利点だと思います。少なくとも、私にとっては利点でした。

    あとは、このフィラメントの正式な製造会社と商品名がわかれば完璧なんですが(^_^;)