まだセットアップ手順の記事も書いてないのですが(^_^;)
小型3Dプリンタ「M3D The Micro」は現在、操作する方法が標準のソフトウェアしかありませんが、スライサーだけでも他のソフトを使って操作してみようというお話。
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目次
Slic3r で M3D 用にスライスする
設定ファイルをこちらに置いておきます。M3D_The_Micro_Slic3r.ini (Zip ファイル)
Slic3r の File メニューから Load Config Bundle を選び、設定ファイルを読みこめば M3D 用の設定が読み込まれます。
後は通常通り3Dモデルデータを読み込んで、スライスして GCODE を生成。
Cura で M3D 用にスライスする
設定ファイルをこちらに置いておきます。M3D_The_Micro_Cura.ini(Zip ファイル)
Cura の File メニューから Open Profile を選び、設定ファイルを読みこめば M3D 用の設定が読み込まれます。
Machine Settings はこんな感じ。
後は通常通り3Dモデルデータを読み込んで、スライスして GCODE を生成。
Simplify3D で M3D 用にスライスする
注:Simplify3D でスライスした GCODE は手作業で修正が必要です
設定ファイルをこちらに置いておきます。M3D_The_Micro_Simplify3D.fff (Zip ファイル)
Simplify3D の Edit Process Settings から Import を選び、設定ファイルを読みこめば M3D 用の設定が読み込まれます。
後は通常通り3Dモデルデータを読み込んで、スライスして GCODE を生成。その後、手作業が必要になります。
GCODE をテキストエディタで開き、「M82」と書かれた行と「T0」と書かれた行を削除して下さい。
M82 は入力値を絶対座標で指定するコマンド、T0 は温度指定先(エクストルーダーやヒートベッド)をセットするコマンドですが、どちらも M3D には必要ありません。
GCODE を読み込ませる
M3D の専用ソフトウェアを起動。今回は Windows 版(ベータ Ver1.1)で解説。まず、右上の設定ボタンをクリック。
Advanced の中に Expert Mode という項目があるので、そこをクリックします。
M3D Print Spooler というウィンドウが開くので、Add Print Job を押して、GCODE ファイルを読み込ませます。
しばらくすると、メインウィンドウで準備が始まり(自動で切り替わりません)、通常通りプリントが可能です。
他のスライサーを使うことで改善されること
M3D の標準ソフトはなかなか優秀なスライス機能を持っていると思いますが、細かい設定を与えることが出来ず、例えばフィラメントの糸引きに対してリトラクト(吐き戻し)の数値を指定して糸引きを防ぐといったことや、標準の造形速度から変更したりすることが出来ません。
他のスライサーを使うことで、それらの設定を強制的に与えることが可能になります。
ただし、与えた設定を M3D が忠実に再現できるかどうかは別問題です。
右が M3D の標準ソフトを使い、クオリティ「High」にして造形したもの。約12時間かかりました。
左が 糸引きを防止するリトラクトの設定を施し、造形速度を速めて造形したもの。約6時間かかりました。
一目瞭然ですが、目的としていた糸引きは改善できていません。これはそもそも M3D のリトラクト能力(吐き戻し能力)が低いからだと思われます。
また、他の 3Dプリンタ(BS01)では同じ設定でスライスした場合、約1時間半でプリントが可能でした。これも、M3D の機械能力の限界が、与えた設定速度を大きく下回っているからだと思われます。
現時点において、M3D で他のスライサーソフトを用いるメリットは、例えばファーストレイヤーを 230℃で造形し、以降のレイヤーは 200℃で造形するといったファーストレイヤーへの食い付きを維持しつつ、低温造形にて糸引きを抑えるといった目的や、現状の造形速度の 2倍程度まで速度を向上させる、くらいしか思いつきません。
また、標準の 2倍ほどの速度で造形していると、なんというか、かなり無理をさせているような気がします。M3D のシャフトやギアはかなり細かったり小さかったりするので、あまり負担をかけさせるのは少し不安になりました。
今のところは、おとなしく標準ソフトでスライスしてプリントした方が本体にも無理なく造形させられる気がしますので、他のスライサーソフトを使用するのはあまりオススメできません。
こちらからは以上です。
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